とある理系の気まぐれ随筆

極めて適当に書いた、どうでもいいエッセイです

昼休み

皆さんこんにちは!


皆さんは、ドーナツの穴がなぜ空いてるかご存知でしょうか。僕は知りません。


さて、今回のお題は「昼休み」でございます! 最近難しいお題が多かったので、たまにはこういう普通の話題にも触れさせてあげよう…という、出題者様の粋な計らいが垣間見えますね。しかし、こーいうマージンの多いテーマって、逆に難しいんだよな←ワガママ


うーん、昼休みかぁー…。何を話そう。あ、お昼休みと言えば、お弁当ですよね! 中学までは給食が出ますが、高校からは自前のお弁当を毎日持参することになます。高校生になったばかりの一年生諸君は、この辺りにトキメキを感じたのではないでしょうか。


…しかし、高校のお昼休みって、意外と遅いんですよね。僕の母校では、確か12時50分からでした。三度の飯より飯が好きな育ち盛りの高校生にとって、これは少々キツイタイムスケジュールではないでしょうか。運動部の生徒なんかは、律儀にお昼休みまで待たずに何か食べちゃいますよね。早弁ってヤツだ。


もちろん、僕は超絶真面目で優秀な模範生徒だったので、早弁なんて姑息な真似はしません。今「嘘だろ」って心の中でつぶやいた人には、靴下がものすごく臭くなる呪いをかけました。一週間は解けないので覚悟して下さい。


とにかく、僕は早弁なんてしませんでした。だからもう、4時限目の中盤からお腹ペコペコのペコちゃん状態です。先生の授業なんて耳に入りません。早く昼休みになれ…!! そう、呪文のごとく唱え続ける謎の時間が生まれます。でも、指名されたら答えます。


そして、4時限目の終了を知らせるチャイムが鳴るや否や、すかさずスクールバッグをこじ開け、もう半分イッちゃってる目をギラギラさせながら、お弁当を取り出すのです。真面目な高校生の昼休みは、いつもこうして始まります。こうなってない高校生は、絶対早弁してる。けしからん!!


しかし、時に大事件が勃発することがあります。いつものようにスクールバッグをこじあけても、そこにお弁当が見当たらないのです。そう、これこそが「朝お弁当をカバンに入れ忘れる」という、かなり上位にランクインする重大な過失です。これが発動してしまうと、もうどうしようもありません。


身体は、完全に「お弁当食べるモード」になっているので、理性による制御が効かないのです。しかし、お弁当はカバンをひっくり返したって出てきません。誰かに分けてもらおうにも、周囲の生徒は皆、半分イッちゃってる目をギラギラさせながらお弁当を夢中で貪り食っています。とても「食べ物を恵んでくれ」なんてお願いできる雰囲気ではありません。


仕方なく、購買部へすっ飛んで行きます。しかし、購買部でパンを買うという行為とて、そう簡単には成し遂げられません。お昼休み前にお弁当を平らげてしまった早弁運動部の皆さんが、自慢の筋力を惜しげもなく発揮して、購買部へなだれ込んでくるからです。


僕のようなか弱い存在に太刀打ちできるはずもなく、ホットドッグや焼きそばパンなど、人気の商品は瞬く間に消えていきます。そして、僕が前線へたどり着く頃には、何とも微妙なラインナップしか残っていません。仕方なく、売れ残ったちくわ納豆パンを購入して、トボトボと教室へ戻っていくのです…。


…朝お弁当を入れ忘れるという過失が、どれほど悲惨な事態を招くか、理解していただけたでしょうか。高校生活は3年間続く訳ですから、誰しも最低一回くらいは、必ずどこかでこの試練にブチ当たります。世の高校生達は、こうしてスクールライフの荒波に揉まれ、大人になっていくんだ…。


しかし、悪いことばかりでもありません。不本意ながらも購入せざるを得なかったちくわ納豆パンが、意外と美味しいことに気付くのです。もちろん、お腹ペコペコのペコちゃん状態が補正をかけている効果も僅かながらあるでしょうが、それにしたって想像を超える美味しさだったりします。


お弁当を忘れていなかったら、この出会いは無かったことでしょう。皆が知らないちくわ納豆パンの美味しさを、僕だけが知っている…。しかも、ちくわ納豆パンなら、どんなにゆっくり購買部へ行ってもほぼ必ず残っているので、今後お弁当を忘れたとしても安泰です。あぁ、ありがとう僕のちくわ納豆パン…。


そんなある日、久しぶりに購買部へ足を運ぶと、ちくわ納豆パンがありませんでした。とうとう皆がこの美味しさに気づいてしまったのか…!? そう心配する僕に向かって、購買部のおばちゃんは申し訳なさそうに言うのでした。


「ごめんねー、ちくわ納豆パンは販売中止になったんだ。人気なくてさ」


※今回のお話は、実話を元にしたフィクションです。全てを鵜呑みにしないよう、お願いいたします(╹◡╹)