とある理系の気まぐれ随筆

極めて適当に書いた、どうでもいいエッセイです

通学路

皆さんこんにちは!!


本日のテーマは「通学路」です! 最近テーマの難易度が高いんだよなぁ…とか言うとさらに難易度上げられそうなので、僕は何も言いません。


通学路といっても色々な学舎がありますよね。僕の場合、印象が一番強いのは小学校なので、今回は小学校までの道のりを「通学路」として語ります。それ以外は、各自勝手に思い出して懐かしんでください。


ところで、皆さんは小学校ってどうやって通ってましたか? 僕の地域では、朝の登校のみ「登校班」なるものが設定されていまして、親が見守る中特定の場所に集合し、全員集まったら班長を先頭に一列に並んで出発!!…みたいな調子でした。


ただ、きれいに並んでいるのは大抵最初の数十mだけで、親の目が届かなくなるや否や列はバラバラと崩れ去り、他の班と合流する頃には「何これ運動会?」みたいな惨状を呈していたのは言うまでもありません。


しかし、そんな賑やかな風景も、今や過去の遺物となりました。僕の6つ下の弟が6年生になる頃には、地域の子供が2人だけになって登校班制度は消失、現在に至っては一番若い住人でさえ25歳という、壮絶な過疎の嵐が吹き荒れています。小学生なんてもはや幻の存在。伝説のポ◯モン並に見つかりません。


ちなみに僕も、もう地元に戻ることはなさそうなので、故郷は大ピンチです。せめてふるさと納税でも…と思ったのですが、返礼品がイマイチなので止めました。まぁ、なんとか頑張ってくだせぇ。←薄情


そうそう、通学路と言えば、一つ感動的なエピソードがあるので紹介いたしましょう。


あれは、まだ小学校に入学したばかりの頃でした。慣れない道をふぅふぅ言いながら歩いていると、突然「ワン!!」というビックリボイスが僕の耳に入ってきたのです。驚いて振り向いた先には、なんと犬がいました。道に面した庭に、紐で結ばれて佇んでいます。


道と庭は簡単な垣根で隔てられていましたが、隙間が大きいので犬の姿がよく見えました。その隙間から手を伸ばせば、犬に触れることもできます。近くには、犬小屋もありました。でも、犬が嫌いだった僕は、全てを無視してさっさと家に帰りました。


しかし、僕の通っていた小学校は、通学路が非常に厳密に定められています。よって、嫌でもその犬の前を毎日通らきゃいけません。実際かなり嫌でした。だって吠えるんだもん。


ただ、僕にもプライドがあります。犬に舐められるなんて許せないので、吠えたぎる犬に向かって、毎日「吠えちゃダメ!」と説教を繰り返しました。


するとどうでしょう、あんなに吠えまくっていた犬が、妙に人懐っこくなってきたではありませんか。気がつけば、垣根の隙間から頭を撫でられる程になっていました。顔も、猫ほどではないにしろ何となく可愛い気がします。ちなみに、見た目は普通の芝犬みたいな雑種犬 (たぶん)です。


僕は、その犬に「ビクトリーロボ」という名前を勝手につけ、毎日帰り際に触れ合うようになりました。給食の残りのパンを差し入れたこともあります(良い子は飼い犬に餌をあげたりしちゃダメゼッタイ!!)。長期休みでしばらく会えなかったときは、ビクトリーロボもなんとなく寂しそうでした。


…しかし、ビクトリーロボとて生き物です。ロボじゃありません。僕が高学年になる頃には明らかに元気がなくなり、小屋から出て来ない日も増えました。


そして、僕が小学6年生になったある日…。いつものように庭を覗くと、そこにビクトリーロボの姿はありませんでした。寂しく佇んでいるもぬけの殻になった小屋を見て、僕は全てを悟ったのです。


僕は溢れ出そうになる涙を堪えながら、家に帰りました。小1の頃からずっと通学路にいた、ビクトリーロボ…。たくさんの思い出が、走馬灯のように脳内を駆け巡ります。たぶんこれが、人生で初めて身の置き所のない悲しみを感じた瞬間でした。


帰宅した僕は、庭に生えていた謎の花をむしると、堪らなくなってビクトリーロボのいた庭へ舞い戻りました。せめて、最期に何か手向けてやりたい…。そんな思いに突き動かされて。


庭にたどり着くと、そこには普通にビクトリーロボがいました。…普通にいました。どうやら、散歩か何かに行っていたようです。思えばその曜日は、以前もいないことがありました。全身の力が抜けた僕は、ヘナヘナとその場に崩れ落ちたのでした。そして、庭の花をむしった件で母にしかられました。


その後結局、ビクトリーロボは僕が小学校を卒業する日まで元気に生きていました。中学に入ってからは全く会えなくなってしまい、その後の動向は不明ですが、きっと天寿を真っ当したのでしょう。


ということで、後半ほぼ犬の話でしたが、今回は以上です! ビクトリーロボの飼い主さん、勝手にエサあげたり名前つけたりしてすみませんでした!!